目が覚めてもやはり暑かった。この部屋は東に窓があるので、夏場の朝はいつも 暑くて目が覚めるのだ。つまりは、いつもと変わらない朝だった。
「妙にリアルな夢だったな」
そんなことを思いながら、そのうち話のネタにしようと、覚えている部分をメモ した。
石野岩男が本当に死んでたことが分かったのは、半年以上経ってからのことだっ た。賽の河原を思わせるような場所で死んだという。
そして、あれから丁度一年目の夜。僕の手には一通の手紙が届いていた。
それは、「第二五八回世界霊界学会極東支部例会」の案内状だった。