その後は順調に政治家としての地位を高めていった。そして周りにいるのは相変 わらずバカばかりだった。ヨブが銀河帝国領侵攻に反対票を投じたときの評議員 達のバカ面は今思い出しても笑えた。
ヨブが最高評議会議長に就任して間も無い頃、フェザーンのチャンネルから地球 教の庇護を依頼された。
地球教は地球を聖地とする教団で、トリューニヒト家が信仰する古い宗教と関係 が無くはない。その古い宗教の曾孫といったところか。
実際に地球教徒に会ってみると、本気で聖地回復を信じてる奴等ばかりだった。
「こいつらはバカだ」
ヨブはそう思ったが、隠し玉として使えそうなので飼っておくことにした。
実際、情報網の一端として使うとそれなりに便利であったし、クーデター騒ぎの ときには地下潜伏に役立った。