夜の街で戯れに眼鏡を外してみる。 色とりどりの光の円盤が、何故か同じ大きさで散らばつている。 一つ一つの円盤は蜘の巣のような華麗な模様を描いている。 いや、むしろ、遠い日の理科教室の顕微鏡で覗いた、 プランクトンのようだといふべきか。
「ああ、こんなとことに万華鏡があつたのか」
僕は何だか、とても嬉しくなつた。
おわり