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そのときは、まだ、かろうじて残ってた「猫」の仲間が「鼠」の死を知らせてく れた。犯人はどうやら未確認の「犬」らしいことも。

私は坊やから急いで離れたわ。「犬」は「野良猫」には割と鈍感だけど、私みた いな純粋な「猫」がそばにいたら嗅ぎつけられやすくなってしまうから。

私は、「犬」からはもちろん、坊やからも身を隠して潜伏するしかなかった。

とぎれがちな仲間の情報で、問題の「犬」はどうやら坊やの元上官らしいこと、 しばらくして坊や自身の手で仕留められたことが分かったわ。

やっと再会できると思ったら、あのバカ、よりによってベーネミュンデ侯爵夫人 の傭兵になったのよ。最大の「犬」の傭兵に。坊やは「野良猫」だし、侯爵夫人 と直接顔を合わせるはずもない下端だったから、そんなに危険じゃなかったけど、 私は会えないじゃない。

そうこうしてるうちに「猫」は壊滅。坊やを探そうにもどこから手をつけていい やら分からなくて途方に暮れてたわ。

そんなときに、あんたに出逢ったのよ。


つづく