2006年10月23日(月)〜2007年3月17日(土): リハビリ

退院した日に、自宅で風呂に挑戦。左腕に袋をかぶせ、さらにビニール風呂敷で 防水する。左腕が洗えないのは当然だが、独力では右腕も洗えない。盲点である。 頭を洗うのはよいが、すすぐのに手間がかかる。

翌月曜日には、授業のため、大学に向う。リュックを右肩だけにかけると意外に バランスが悪い。三角巾の上から左肩にひっかけると、少し歩きやすくなるが、 ちょっとした衝撃ではずれてしまうし、一度はずれると、ひっかけ直すのが容易 ではない。何か工夫が必要である。何せ、自転車に乗れないものだから、歩く量 が普段の倍ぐらいあるのだ。合計すると片道1時間歩くのに、歩きにくいのでは 話にならない。

授業では、コンピュータの実習を行う。Ctrl+Alt+Delを押すのに苦労する。ユー ザ名とパスワードは、指が覚えている分、片手で打込むのがもどかしい。まあ、 マウスは普通に使えるが。

授業が終わると、どうしても必要な作業だけして、さっさと帰る。帰りの電車で は、三角巾で腕を吊った状態で、優先座席の真ん前に立ってたのだが、誰も席を ゆずる気はなさそうだ。腕の怪我で脚が疲れる可能性に思い到らないのか、そも そも何も考えてないのか。自分が優先座席に座ってるという認識すら無いのかも しれない。

火曜日は休んで、水曜日は通院。その日のメニューは、レントゲン、診察、抜糸、 リハビリ。この頃から、シーネを全部はずしてリハビリするようになるが、真っ 直を基準にして30度〜100度程度の範囲でしか曲げ伸ばしできない。ただ、締め つける量が減ったためか、手のむくみは少しずつとれていった。

木曜日は休んで、金曜日は授業のため大学へ。月曜日の教訓を生かして、リュッ クの左右の肩紐をベルトでゆるく結ぶ。こうしておくと、左肩から肩紐がはずれ ても、ひっかけ直すのがかなり楽になる。歩きながらでもできるくらいだ。この 日の授業は学生実験なので、手を出さずに口を出すだけで済む。

土曜日は休む予定だったが、木曜日の夜あたりから、黄色い体液が包帯に染み出 てきたので、念のため病院へ。院長先生は、「何でじゃろうな?」と首をかしげ る。いや、それを聞きに来たんですけどお。結局、ガーゼと包帯を換えただけで 終わる。爪を切ってくるのを忘れたので、リハビリはやめとく。指の力を入れる 訓練のときに、先生の手に爪が結構くい込んでしまうのを、少しは気にしていた のだ。

日曜日は休む。

以後、しばらくは、大体そういうスケジュールで動いた。

骨は3週間程度でほぼついた。院長先生は、「やっぱり、若いとつくのが早い」 と言ってたが、カルテを見て、「そう若くもないか」。

特に指示がないので、しばらくの間は、左腕にカバーをかけて風呂に入ってたの だが、もう大丈夫だろうと思って聞いてみると、やはり大丈夫だとのこと。久し ぶりに左腕をお湯につけると、急に血行がよくなったせいか、指先が痺れる。ま あ、すぐに治まったが。

傷が治ったころから、ホットパックで肘を暖めてからリハビリするようになる。 メニューも少しずつ変わっていったが、「三角巾をしてると肩が凝る」という理 由で始まった肩揉みは、三角巾をはずしてからも、リハビリのシメとして続けら れた。多少不思議に思ったが、困るわけでは全くないので、されるがままである。 実際、三角巾はずしても、肩凝りまくりだし。

骨も傷も順調に治り、三角巾もはずし、シーネもはずして生活するようになった が、可動範囲はなかなか広がらない。12月の終わり頃の時点で、15度〜110度と いう記録がある。痛みも残る。

毎週水曜日に通院してるうちに、その年の2月14日が水曜日だということに気が つく。たわむれにチョコを買い、2月14日にリハビリの先生にプレゼントしてみ ると、「逆じゃあないですか」と大笑いしてくれた。

3月に入り、10度〜120度まで動くようになった頃、抜釘手術(ばっていしゅじゅ つ)を勧められる。ピンを抜き、ワイヤーをはずす手術だ。骨は充分についてる ので、いつでもよいそうな。といっても、4月に入って授業が始まるとややこし い。

一方、リハビリの規程では、原因の発生から5か月間(というか150日?)しか、ちゃ んとしたリハビリができないという。3月上旬でその期間は終わり、その後は、 リハビリを続けたとしても、今までのようなしっかりした対応ができないそうだ。 抜釘手術をして、リハビリ用のカルテを書き直してもらえば、また、しばらくは、 ちゃんとしたリハビリができるとか。

というわけで、3月19日に抜釘手術をすることに決定。14日には術検を受けてお く。例によって、前日には入院することになるので、それまでにいろいろ準備し ておく。髪が短かい方が頭を洗いやすい(すすぎやすい)というのは体験済なので、 事前に髪を切っておく。前に使った三角巾も、念のため用意しておく。


つづく