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Introduction

本稿は, ランチェスターの殲滅方程式を物理屋的な観点から再導出したものであ る. あくまでお遊びであるので, 目鯨をたてぬようお願いする. また, 浅学にて 軍事科学をほとんど知らないため, よくある話をしているだけであれば, これも 御容赦頂きたい.

さて, ランチェスターの殲滅方程式とは次のようなものである:
兵器数 x0 のX軍と, それより少ない兵器数 y0 (< x0) のY軍が正 面から闘ったとする. ここで, 技量を含めた両軍の1兵器あたりの威力は同等で あるとする. この条件でX軍がY軍を全滅させたときのX軍の生き残り xT は,

 
    $\displaystyle x_{T} = \sqrt{x_{0}^{2} - y_{0}^{2}}\;,$ (1)

となる. また, これを拡張して, X軍の1兵器あたりの威力を p, Y軍のそれを q とすると,
 
    $\displaystyle x_{T} = \sqrt{x_{0}^{2} - (q/p)y_{0}^{2}}\;,$ (2)

となる.

方程式(1)の導出は, 通俗解説書などでは通常, 図を使った泥 臭いやり方で説明されている. さらに, (2)の導出を筆者は見 たことがない(単に物を知らないだけかもしれないが). 本稿ではそれを微分方程 式を用いた物理屋的な導出を試みる. 結果として方程式(1), (2)のみならず, 戦闘の途中での両軍の兵力の推移を求めうる 解を得た.



KGK == Keiji KOSAKA
1998-09-19