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「伝達型文章の作文技術」:02-05

02: 書き方

02-05: 日本語文書校正ツールjcorrect

文単位で推敲する場合, jcorrectという日本語文書校正ツールが役立つ. 入手 法や使い方は, 作者が解説している.[1] 作者が用意したWeb interface[2]も ある. それを参考にしたWeb interface[3]を, 私も用意した.

このツールは, 文やフレーズを文法的に解析した結果を元に, チェックすべき 部分を教えてくれる. 核となる係受け解析は, 90%程度の精度だと言われてい る. 「80点取れば優秀」という本稿の方針には充分である.

チェックすべき部分は, その繋がり方でよければそのままでよい. 変であれば, 表現を考え直す. 警告は, 従った方が分かりやすい場合は従う.

全ての警告に従うという必要は無い. 充分に考えた上で, 自分で選択すればよ いのである. このツールには, 作者の癖が反映されている部分もある. 解析を 間違うこともある. 自分の表現に自信を持てるなら, ツールに従わなくてもよ い. そうやって, 考えるきっかけにするのが, 正しい使い方である.

この手のツールを使うメリットは, まさに「機械的」に読めるような文を書け ることである. コンピュータが正しく解釈できる文は, 人間なら容易に理解で きる.

もちろん, このツールではチェックしきれない部分は多い. 最後に頼るべきは, 己の脳味噌である.

本家のjcorrectでは, 句読点を「, . 」で書くことを想定していないようであ る. 私が用意したWeb interface[3]では, 「, . 」を「、。」に置換してから 渡すようにしてある.

jcorrectをemacsで使うためのjcorrect.elは, 作者の解説[1]から入手できる. このlisp codeを使うためにはtex2txt[4]が必要である. これは, TeXのコマン ドを取り除くためのPerlスクリプトである. TeXを使わないのであれば必要な い. その場合はjcorrect.elをハックするか, ダミーのtex2txtを用意する必要 がある.

このjcorrect.elも「, . 」に対応していない. jcorrectを対応させるだけで はなく, jcorrect.elの中のjcorrect-at-pointにも, 簡単なハックが必要であ る. ソース内に, jcorrect-at-pointをキーバインドするように書いてあるが, フレーズをチェックしたい人は, jcorrect-regionもキーバインドするとよい.


  1. 大崎博之: 「jcorrect を利用した技術文章校正のヒント (草稿)」, http://www.ispl.jp/~oosaki/research/tips-jcorrect/ (最終更新: 2006年6月; 最終アクセス: 2009年3月).
  2. 大崎博之: 「jcorrect --- A simple Japanese grammer checker」, http://www.ispl.jp/cgi-bin/jcorrect.pl (最終アクセス: 2009年3月).
  3. 小坂圭二: 「jcorrect --- A simple Japanese grammer checker」, http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/bin/jcorrect.cgi (最終更新: 2009年3月; 最終アクセス: 2009年3月).
  4. 大崎博之: Perlスクリプト tex2txt, http://www.ispl.jp/~oosaki/software/perl/tex2txt (最終更新: 2006年6月; 最終アクセス: 2009年3月).

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