「骨まで愛して」歌謡曲の題名
縮約や要約をさらに進めると, 要点を取ることにいきつく. これをうまくやれ ば, 文章の骨格が見える. 以下, 大野晋[1]が「日本語練習帳」で勧める方法 を見てみよう.
こうやってできるのが文章の骨格である.
文章を書くときには, まず, そのような骨格を作り, 逆の作業で拡げていくと よい. 骨格の作り方については, またの機会にゆずる.
他人の伝達型文章の内容を紹介する機会を持つことがある. そのような場合に, 上記の方法で文章の骨格を取り出すのは, 非常に役立つ. ここで, 私が勧める, その先の標準的な作業を解説しておこう.
このやり方をする場合, 完全な骨格のみよりも, 多少の具体性が残っている方 がやりやすいかもしれない. その場合は, 骨格を抜き出す作業を(1)か(2)に留 めておくのも一つの手である.
原則としては, 元の文章の順序通りに説明するのがよい. それが一番無難であ る. しかし, それ以上に伝えやすい順番があれば, 元の文章に書かれている順 番には, こだわらなくてよい. 要約を説明するときの最適な順番は, 完全な文 章にとっての最適な順番とは, 違うかもしれない.
ここでは, 元の文章のみを材料にしたやり方を示した. しかし, 元の文章に欠 けた部分を補う方がよい場合もある. 元の文章が対象とした人々の範囲と, 紹 介の対象の範囲は, 一般に異るからである.